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最後の被爆地・長崎が伝える平和の尊さ~長崎原爆資料館を訪ねて

エリア
長崎
投稿日
2019年6月5日

太平洋戦争末期の1945年8月9日。夏空が冴えわたる長崎の町に原爆が投下されたのは、午前11時02分のことでした。

当時の長崎市の人口は約24万人。原爆によって、そのうちのおよそ7万人が死亡し、7万人以上が負傷したと推定されています。

放射線により70年は草木が生えないと言われた被爆地。終戦から70年以上を経た現在、広島も長崎も見事に復興を遂げていますが、原爆による被害が消えることはありません。

戦争の悲惨さと平和の尊さを伝える長崎原爆資料館を訪ねました。

目次目次

1.戦争の記憶

1-1.写真が伝える被ばく前後の長崎

長崎原爆資料館 展示室 モニター
展示室の始まりに並べられているのは、原爆が投下される前の長崎の様子を写した写真。
人々のくらしや日常の何気ない1コマが残されています。

商店の前に並んだ笑顔の夫婦、日傘をさして歩く女性。
確かに存在していた幸せを思い知らされます。
原爆投下によって長崎の町は焼け野原と化しました。
長崎原爆資料館 スクリーン
三面の大きなスクリーンには、生々しい被害の様子が映し出されています。
その下には、被ばく遺構が並べられ、あたかも、被ばく直後の原子野に立っているかのようなリアルな感覚が迫ってきます。

1-2.永遠に動かない時計

長崎原爆資料館 時計
展示室の入口には、爆風によって破壊された柱時計がかけられています。針が指し示しているのは、原爆投下時刻の11時02分。

爆心地から約800m離れた民家にあったものです。

原爆による爆風は秒速440mの速さで長崎の町を呑みこみ、熱線は爆発の1秒後に半径200mにも達しました。

ひねられたフレーム、波打つように曲がった文字盤が威力のすさまじさを物語っています。

もう二度と時を知らせることはありませんが、原爆が落とされた瞬間の恐ろしさを訴えかけてくるようです。

1-3.長崎型原子爆弾・ファットマン

長崎原爆資料館 ファットマン 模型
原爆投下までの経緯を紹介したコーナーでは、長崎に投下された原爆の原寸大模型が展示されています。
長さ3.25m、直径1.52m、重さ4.5トン。丸みを帯びた形状から「ファットマン」と呼ばれていたそうです。

模型内部には、プルトニウムやタンパーなど原爆の構造が再現されており、核分裂の仕組みが説明されています。
長崎原爆資料館 ファットマン 内部構造
長崎型原爆の破壊力は火薬を使った爆弾2万1千トンに相当しますが、放射線という目に見えない毒牙がさらに甚大な被害をもたらしました。

1-4.原爆の被害を伝える日用品

長崎原爆資料館 遺構 日用品
原爆は長崎の町の日常を一瞬にして奪いました。爆風と熱線、放射線が容赦なく襲いかかり、その後の火災によっても多くの方が犠牲となったのです。

被害の実相は人々が使っていた日用品が克明に教えてくれます。
長崎原爆資料館 遺構 日用品 シャツ
破れたワイシャツや黒焦げになったお弁当箱。
長崎原爆資料館 お弁当箱 遺構
どんな人の持ち物だったのか、その人はどうなったのか。思いを巡らせると、戦争は他人事ではないという実感が湧いてきます。

溶けたガラス瓶や被ばくした瓦に触れられる体験コーナーも設けられています。
長崎原爆資料館 溶けたガラス瓶 触れられる 体験コーナー

1-5.受け継がれる永井隆博士の思い

長崎原爆資料館 永井隆博士
長崎医科大学の助教授だった永井隆博士の生涯とその功績を紹介するコーナーが設けられています。

永井博士は、原爆によって自ら重傷を負いながらも負傷者たちの救護活動に尽力された方です。
長崎原爆資料館 永井隆博士 著書
病に侵されながらも、「長崎の鐘」や「この子を残して」など数多くの著書を執筆し、戦争の惨禍が繰り返されないよう訴え続けました。

博士が晩年を過ごされた「如己堂」は永井隆記念館の一部として公開されています。原爆資料館では、博士が生涯大切にされていた聖書の一節「如己愛人」が書かれた直筆の色紙やロザリオを見ることができます。

1-6.追悼平和祈念館

追悼平和祈念館
原爆資料館を見学した後は、隣接する追悼平和祈念館を訪れてみましょう。原爆で亡くなられた方の遺影や手記などを見ることができます。

また、被ばく後の町の様子を3Dアニメーションによって追体験できるコーナーも設けられています。戦争を知らない世代でも、自らの立場に置きかえて考える良いきっかけとなるはずです。

追悼平和祈念館
追悼空間には原爆死没者の名簿が納められています。

原爆で亡くなられた方々を思い、今なお癒されない傷を負った被ばく者の苦しみを受け止める場所です。

2.原爆資料館のご利用案内・駐車場情報

原爆資料館の見学料は、大人200円、子供100円。小学生未満は無料となっています。

休館日は12月29日から12月31日の3日間。
時期によって閉館時間が変わりますので、事前に公式ホームページを確認しておくと良いでしょう。

資料館横には普通車70台ほどが停められる駐車場がありますので、マイカーでのアクセスも可能。
駐車料金は、普通車の場合、最初の1時間は100円。その後30分毎に100円が加算されます。

2-1.長崎駅からのアクセス

公共交通機関を利用される場合は、JR長崎駅から路面電車を利用すると便利です。
長崎駅前の電停から「赤迫」行に乗り、7つ先の「原爆資料館」の電停で下車。そこから資料館までは歩いて5分程度。

長崎の町を観光したい方は、路面電車全線が1日乗り放題になる1日乗車券(500円)がお得です。
長崎市内の観光案内所や一部ホテルで販売しています(電車車内では購入不可)。
http://www.naga-den.com/publics/index/12/

2-2.長崎空港からのアクセス・マイカー利用のルート

長崎空港からは、長崎駅前(浦上・住吉方面)行きのリムジンバスが運行、4番のりばから。
「平和公園」バス停下車後、徒歩約5分。

マイカーを利用される方は、長崎自動車道の「長崎多良見IC」から長崎バイパスへと進み、「川平IC」出口から平和公園・昭和町方面へ。
長崎大学のキャンパスがある文教通りを抜けて国道206号線を浦上方面に向かうと案内標識が見えてきます。

おわりに

原爆の惨禍を伝える長崎原爆資料館。
悲惨な過去だと目をそむけるのではなく、教訓として向き合う大切さを教えてくれる場所です。

長崎原爆資料館

住所
長崎県長崎市平野町7-8
TEL
095-844-1231
イン/アウト
8:30~17:30 ただし5月~8月は18:30、8月7~9日は20:00まで いずれも最終入場は閉館の30分前
HP
https://nagasakipeace.jp/japanese/abm.html

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